【ネタバレあり】メモオフ５（１／４）

メモオフ５　途切れたフィル厶

１／４　　オープニング動画。

これは今から１年前、生前の日名雄介が、仙道麻尋と会話している映像である。まだ髪が長く、今よりも尖った麻尋。

この映像を残した直後に、日名雄介は謎の死をとげることになる。

芦鹿島付近の砂浜。

ホッキ貝（サーフグラムというペンダントの材料となる、二枚貝の貝殻）を掘り出した跡の凹みが、波にさらわれ消えていく。

タイトルバック。

日名雄介。故人。

主人公のかつての親友。

ちょうど一年前の５月、近隣マンションの高層階から転落死した。

何かのトラブルに巻き込まれたはずだが、警察の検証では事故死とされた。

雄介と主人公とは幼い頃から、将来は映画の道に進もうと夢を共有した間柄だった。

仙道麻尋。

２人のメインヒロインのうちの片方。

詳細不明だが生前の雄介と交友があったらしい。雄介が転落死した高層マンションが、仙道の住むマンションであったことから当時の事情を知っていると思われる。このため日名家からは厄病神とみなされ、一年前の雄介の葬儀のさいも雄介母により追い返された。

雄介妹である日名あすかも、仙道麻尋のことをひたすら嫌っている。

「雄介を殺したのはわたし」と語る彼女。隠された真相は果たして？

雄介が遺した映画シナリオを手にＣＵＭ研を訪れた仙道麻尋は、雄介の仲間たちに映画を完成させて欲しいと頼みこむ。

主人公、河合春人。

千羽谷大学２年生。親友雄介を失ってから、映画に対する情熱が冷めかけている。ただし映画を完全には捨てきれず、ＣＵＭ研という映画サークルには所属してはいる。もう一年間も新作映画を撮影していない。 

突然、ＣＵＭ研に姿を現した仙道麻尋に困惑し当初は衝突してしまうが、のちに和解する。

雄介の遺作である映画シナリオをもとに、麻尋とともに映画制作の協力をすることに。

日名あすか。

メインヒロイン２人のうち片方。綾園学院高等学校３年生。

信頼していた保護者である雄介を失ってから精神を病み、深刻な自閉症となったが、献身的介護をしてくれた河合春人のおかげで日常生活を送れる明るい女子高校生に戻れた。このため河合春人には尋常ではない好意を示す。

これが純粋な愛情なのか、兄に代わる保護者を求めているだけなのか、この判断は難しい。精神を病んでいる女の子。

誰もが振り返る美少女で、幼い頃から子役として芸能界に所属していたのだが、

ある時期から突然演技が出来なくなってしまい芸能界を引退するはめとなった。

女優あすかに多大な期待を寄せていた母親はすっかり失望して、それ以降は、母親とは疎遠な関係となって自宅に居場所がないと感じるようになった。

兄雄介は芸能人ではなくなったあすかを、妹あすかとして守ってくれた大切な保護者であった。

兄雄介の親友である主人公河合春人と初めて会ったのは葬儀後に自閉症になった頃であった。初対面ながら、兄雄介と同様に接してくれた河合春人のことを、自分の居場所と認識する。

それゆえに一年も経過して突如としてCUM研の河合春人の前に現れた仙道麻尋を危険人物として警戒し敵意を示す。

小津修司。

高校時代からの友人。日名雄介、河合春人、小津修司、観島香月は、同じ高校で映画同好会をつくっていた。

一年前の４月に千羽谷大学へと進学し、ほぼ活動休止状態であったＣＵＭ研サークルに所属。さあリーダーである雄介のもとで映画に頑張ろうというところで、５月に雄介が転落死してしまった。

雄介葬儀後に自閉症になった日名あすかと初めて会ったのだが、河合春人とは違って、小津修司は女優日名あすかの大ファンだったのだ。もちろん絶大な好意を抱いている。しかし片思いだ。

河合春人はあくまで親友の妹として接した。

小津修司は女優日名あすかとして接した。

ここが大きな違いだったのだ。

小津修司は全盛期の女優日名あすかを知っていて、何とか日名あすかの助けがしたいと願っている。しかし日名あすかからはまるで相手にされていない。

観島香月。

高校時代からの友人。同じ高校で映画同好会を過ごして気心の知れた仲間である。単純な河合春人の考えていることなど手に取るように分かる。

反面、河合春人からは観島香月の考えがさっぱり分からない。女は複雑だ。

河合春人にたいし長らく秘めた想いを抱いていたがなかなか態度に出せない自分に自己嫌悪するところも。

一年前の雄介葬儀後は、日名あすかが河合春人に懐いてしまった。心を病んだ日名あすかのリハビリに献身する姿に、さすがは河合春人だなと認める反面、依存症になってしまった日名あすかに遠慮せざるを得ず、ますます本心を隠さねばならない自縄自縛に陥ってしまう。

河合春人にたいする素っ気ない態度は、高校時代から変わらないが、その本心に河合春人はまったく気づかない。

 

早蕨美海。

綾園学院高等学校３年生。日名あすかの親友で引っ込み思案。主人公河合春人の従兄妹であり、伯母さんに半ば無理矢理家庭教師をやらされる。映画好きのため趣味もあう女の子。

だが彼女は不治の病にかかっており、河合春人との楽しい思い出もまもなく消え去る運命であった。

前向性健忘。一定の周期で記憶がそっくり失われる。かつての事故で記憶障害を患い、１年ごとに記憶が消されてしまう。それは耐え難い恐怖である。自分の人格が消えてしまう。それは死と同義なのだ。

タイムリミットは近づいていた。伯母は美海が憧れていた春人に家庭教師を頼み、せめて楽しい時間を娘に過ごしてもらいたいと思っていた。

雨宮瑞穂。

日名あすかのバイト先であるファーストフード店、バーガーワックの社員マネージャー。

未亡人であり、このシナリオでは主人公春人とは肉体関係となる。

亡くした夫は映画監督であり、主人公春人や日名雄介がかつて憧れた男であったことがやがて判明する。

だが、彼女との物語がハッピーエンドになることはあり得ない。

子供のころ、幼馴染の日名雄介と、河合春人は、ある映画監督に憧れた。

あの人のように映画を撮影してみたい。

それからずっと夢を追いかけた。

サブキャラクター、木瀬歩。

奈良県出身。舞台が神奈川県のメモオフシリーズではめずらしい関西弁。

前作のメモオフ４の藤原雅シナリオで活躍した彼女も、千羽谷大学１年生へと進学し、ＣＵＭ研へと入部した。

既存メンバーが仙道麻尋に反発するなか、河合春人とともに仙道麻尋に協力して、映画撮影に尽力してくれる。

稲穂信。

途切れたフィルムでは、表立って活躍はしていない。主人公河合春人と同じ安アパートの住人。ご近所さんである。

この安アパートには、前作メモオフ４の鷺沢一蹴も住んでいる。稲穂信と河合春人はアパート１階。鷺沢一蹴は２階の部屋だ。

この時期、稲穂信は鷺沢一蹴のサポートに忙しく、河合春人には深くかかわっていない。

生前の日名雄介は、仙道麻尋にある約束をした。ホッキ貝の貝殻でサーフグラムのペンダントをつくると。

ホッキ貝という２枚貝は海水温が低い寒冷地でしか棲息できず、日本でいうなら岩手県三陸海岸以北でしかあらわれないはずだった。

温暖な神奈川県湘南海岸にはぜったいにホッキ貝はあらわれず、できない約束だと仙道には思われた。

「あきらめず、信じ続けていれば、夢はきっとかなう」

そうして日名雄介は、芦鹿島近くの海岸でホッキ貝の貝殻を見つけたのだった。かつて生きる気力を失っていた仙道麻尋を勇気づけようとした約束。

サーフグラムのペンダントが、日名雄介の形見となった。

攻略ヒロインたちの集合写真。