猫田にゃんの覚書き

猫田にゃんの覚え書き

自分で忘れないよう知識を整理するまとめ帳

【ネタバレあり】初代メモリーズオフ(1/2)


f:id:kiyatoneko:20181206040514j:imagef:id:kiyatoneko:20181206040008j:image

 

初代メモリーズオフ

主人公、三上智也は、神奈川県南部の湘南海岸沿いの町に住んでいる。

自宅最寄りは、芦鹿島電鉄線の藍ケ丘駅。

学校のある、芦鹿島電鉄線の澄空駅まで電車通学だ。

上智也は物語開始時点で澄空高校2年生。

県内有数の進学校である澄空高校のなかでは、三上の成績は劣等生に近い。

三上の幼なじみである今坂唯笑も澄空高校2年生であり、クラスメイトでもある。

上智也と今坂唯笑との間柄はもはや夫婦といってもいい熟成された関係だが、あいにく恋人にはなっていない。

それは三上智也が2年前の事件のことをいまだにひきづって過去に囚われていからである。

今坂唯笑も誰よりも近くでそのことを知っているからこそ踏み込めない。いつか三上智也が過去を振り切ってくれる日を待つしかない。ただ見守るしかない。

 

2年前の事件、それは三上智也と今坂唯笑との共通の友人が交通事故で死んだことである。

かつて三上智也には、2人の幼なじみがいた。自宅が近くて同じ年齢。もちろん保育園も同じだった。


f:id:kiyatoneko:20181206103036j:image

 

幼なじみ1号は、桧月彩花

三上家と桧月家とは隣接しており、三上智也の部屋と、桧月彩花の部屋とは向かい合わせ。窓からお互いの部屋が見える環境だった。

桧月彩花は幼い頃からしっかり者のお姉さん気質の世話焼き女房。ベランダの窓越しに朝寝坊する三上智也を毎朝起こしてあげていた。


f:id:kiyatoneko:20181206102901j:image

 

幼なじみ2号は今坂唯笑。

今坂家は同じ町内ではあるが、三上家や桧月家とは隣接せず、少し離れた立地である。

ちょっと抜けたドジっ子気質。今坂唯笑もけっこう朝寝坊するし、料理も下手くそ。ポンコツ妹タイプの幼なじみである。


f:id:kiyatoneko:20181206102919j:image

 

桧月彩花と今坂唯笑とは親友同士。女の友情は固くまるで姉妹のような間柄だった。

ただし桧月彩花も今坂唯笑も、保育園のころから三上智也のことが大好きだった。双方とも将来の夢は「智ちゃんのお嫁さん」であり、恋のライバル同士でもあった。

 

3人の幼なじみは奇妙な三角関係のまま保育園、小学校、中学校と続いていた。

この関係に変化が起きたのは中学2年生の春のことである。


f:id:kiyatoneko:20181206103014j:image

 

今坂唯笑不在で、桧月彩花と三上智也が2人だけで遊びにいった帰りに、なぜか急に桧月彩花が姿を消した。

上智也はひどく胸騒ぎがして必死に探し回る。走って走ってやっと桧月彩花を見つけたときに自分の気持ちに気づく。

「俺、彩花がいないとダメかも知れない。急にお前がいなくなったら俺は」

こうして桧月彩花と三上智也は恋人となった。

 

今坂唯笑はいったん失恋する。恋敵は姉妹のように親しい幼なじみだ。

保育園のころからずっと抱いていた初恋を今坂唯笑は、泣く泣くあきらめて、ただの幼なじみとして2人に接した。

こうして3人の幼なじみ関係は、今坂唯笑が我慢することで歪ながらそのまま続いていた。

 

3人の幼なじみ関係にさらに変化がおきる。

桧月彩花と三上智也との幸せな時間は長くは続かなかった。

中学3年のとき、ある雨の日、交通事故で桧月彩花は死んだ。

きっかけは些細なこと。外出していた三上智也が藍ケ丘駅につくと土砂降りの雨が降っていて、あいにく傘をもっていなかった。

上智也はほんの軽い気持ちで桧月彩花に電話をかけたのである。恋人であり家が隣接しているので、「傘をもって駅まで来てくれないか?」

それが桧月彩花との最期の会話となった。傘をもって駅まで向かう途中、土砂降りで視界が悪いなか信号無視をした自動車に桧月彩花は轢かれてしまった。

 

「自分が傘を頼まなければ。彩花を殺したのは俺だ。」

上智也は自責の念に囚われ、半年間ほど失語症の廃人となった。

それを救ったのはもう一人の幼なじみ今坂唯笑である。今坂の献身的介護で三上智也は表面上は精神の安定を取り戻し、日常生活を送れるようになった。

やがて三上智也は澄空高校へと進学。今坂唯笑もおなじく澄空高校へと進学した。

 

鈍感な三上智也も、今坂唯笑からの好意にはさすがに気づいてはいる。だが彩花を殺した自分が幸せになっていいわけがない。別の誰かを好きになって彩花を忘れることなどゆるされない。そんなに自責の念に囚われる。

 

今坂唯笑もまた複雑だ。中学のときに一度は失恋した初恋相手。しかし親友の死によって敗者復活がいどめる状況にある。

一度はあきらめた。それはあくまで恋敵が親友の桧月彩花だったからだ。他の誰にも譲る気はない。

「智ちゃんは私たちのものなんだから」

そう考える自分に自己嫌悪をいだく。桧月彩花の死によって漁夫の利を得ようとする自分。そして何より、三上智也がいまなお見つめているのは桧月彩花だけであるという事実。だから踏み込めない。一番近くにいて見守るしかない。

「雨はいつあがる?」

今坂唯笑は、三上智也の土砂降りの雨が上がる日をずっと待ちつづける。


f:id:kiyatoneko:20181206040550j:image

 

一見何もない平穏な毎日が怠惰にすぎて、高校1年、そして高校2年も半分がすぎた秋のある日、高校2年の10月1日から物語本編は始まる。

上智也と今坂唯笑とのつかず離れずの関係に変化が訪れる。三上智也の周囲に新たに4人の女の子たちが現れたからだ。

これをきっかけに三上智也は囚われた過去から前へ踏みだすことができるのか?

そして三上智也の前に立つのはどの女の子なだろうか?

 

メモリーズオフという英語はどうも見当たらない。日本人が勝手につくった造語のようだ。意味を直訳するならば

「思い出を切り離す」

というところか。

上智也が別の女の子を好きになるということは、桧月彩花の思い出を切り離すことになる。それは過去の出来事なのだ。

 

上智也が恐れているのは、自分が桧月彩花のことを忘れてしまうことである。

「思い出を忘れる」ことと、「思い出を切り離す」こととは異なる。

だが物語開始時点の三上智也には差異が分からない。ずっと土砂降りの雨のなかで立ちすくんだままだ。

 

以下は攻略ヒロインの紹介。

幼なじみ2号、今坂唯笑。

本編におけるメインヒロイン。保育園のころからの幼なじみ。今坂ルートが本編の正史である。


f:id:kiyatoneko:20181206040047j:image

 

音羽かおる。

本編開始後の高校2年10月に転校してきた転入生。明朗快活で男女問わず人気がある。

映画館で映画を見る趣味がある。

上智也は、彼女の笑いには陰があり、造り笑いではないのか?との疑念をいだく。

果たして彼女の転校理由とは。彼女の悩み事はいったい何なのか?


f:id:kiyatoneko:20181206040121j:image

双海詩音

本編開始開始より1ケ月前の9月転校してきた転入生。授業中以外は図書室で本ばかり呼んでおり、あまり教室にいないためか三上智也は彼女の最初の出会いのさいクラスメイトとは気づかなかった。友達をつくらずクラスにも馴染んでいない。

父親は高名な学者で裕福な家庭。帰国子女。

欧米人の血の混じったクォーターで超絶美少女のお嬢様。

彼女はいったいなぜ友だちをつくろうとしないのか? 心に壁をつくっているのはなぜかなのか?


f:id:kiyatoneko:20181206040139j:image

 

霧島小夜美。

澄空高校購買部のオバチャンが腰痛のため長期欠勤。その穴埋めヘルプのためやってきた。購買部オバチャンの実の娘。

父親似らしくオバチャンにはちっとも似ていない美人。澄空高校を卒業し、千羽谷大学に在籍している女子大生。

ギャルゲ的には年上のお姉さんヒロイン。


f:id:kiyatoneko:20181206040208j:image

 

伊吹みなも

ギャルゲ的には年下の妹的存在ポジション。

澄空高校1年生。身体が弱く入退院を繰り返している。長く病床にあったせいか絵を描くことが好きで、美術部所属。いつも大きな荷を持ち歩く。

大きな荷物が邪魔で電車を降りれないところを助けたことがきっかけで三上智也と知り合った。

ところがなぜか今坂唯笑とは旧知の仲だという。その理由は、伊吹みなも桧月彩花とは従姉妹同士の親戚だったらしい。


f:id:kiyatoneko:20181206040230j:image

 

幼なじみ1号、桧月彩花

既に故人であるため本編の攻略ヒロインではない。ときどきはいる過去の回想シーンのみで登場する。


f:id:kiyatoneko:20181206040254j:image