【ネタバレあり】メモオフ4(6/8)
メモオフ4紹介 6/8
カフェ編、花祭果凛シナリオの一部抜粋。
ここではカリンシナリオ詳細を紹介するのではなく、TRUESTORYにもつながる陵いのりとの決着場面を紹介しておきたい。
いろいろな事があって、いつの間にか鷺沢一蹴の心には、花祭果凛の存在が大きな割合を占めるようになった。ゆっくりと陵いのりが過去の想い出にかわっていくことを自覚する鷺沢一蹴。
そんななか、陵いのりが音楽勉強のためアメリカ留学する予定であることを知った。一蹴はケジメとして、陵いのりとの関係に終止符を打った。
花祭果凛を選んだ一蹴。果凛に告白し、ついに恋人となった2人。だがそれを良しとしない人物がいた。執事のジイヤである。
「お嬢様はあなたとの時間をつくるため、多忙な時間を無理に裂いている。過労なのにご無理をされておられる。あなたの存在は、お嬢様の害悪でしない。あなたではお嬢様に何も与えられない。身を引いていただきたい。」
完璧超人花祭果凛に比べ、しがないフリーターであり将来の夢すらない自分。そんな自分が果凛のためのできることは、果凛の邪魔をしないことだけ。一蹴は別れを告げる。
「りかりんのこと、最初から好きじゃなかったんだ。」
好きなのに別れるという事が、かつて一蹴には理解できなかった。だが今は違う。
好きなのに、好きだからこそ別れる事が起こり得るのだと、一蹴は思い知らされた。
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まずカフェ編というのは何かだが、鷺沢一蹴は浜咲高校では居場所が無かった。
孤児だった一蹴は表面上は明るく社交的で人気者だが、内心は誰にも見せないようにしていた。
唯一の例外は陵いのり。陵いのりにだけは、全てをさらけ出すことができた。
しかし今、陵いのりから不可解な別れを告げられ、再び浜咲高校には一蹴の居場所が無くなった。
代わりに居場所となったのは喫茶店ならずやだった。一蹴のアルバイト先だが、同僚店員ノンチャンを訪ねて、黒須カナタや花祭果凛が来店するようになったからだ。
黒須カナタは一蹴をまるで弟のように可愛がる。
果凛も一蹴に興味がわき、2歳年齢差があるが対等の友だちになろうと言ってくれた。
ノンチャン、カナタ、リカリンの親友トリオに、鷺沢一蹴が加わって4人のお友達グループができた。一蹴にとって失いたくない大切な居場所、それがこのお友達グループである。カフェ編はこの4人の関係を主軸として物語が展開する。
お友達グループでいろいろな出来事があり、鷺沢一蹴は果凛と大の仲良しになる。果凛の昔話をきく。
昔、黒須カナタと花祭果凛は、同じ男の子を好きになったらしい。その男の子は黒須カナタをえらび交際した。
それなのに黒須カナタは、好きなのにその男の子と別れてしまった。
「私にはわからないな。好きなのに別れるってこと。」
鷺沢一蹴にも理解できない。
好きなんだから別れること無いのに。
喫茶店ならずや店長代理の白河静流さんから、久しぶりに陵いのりの近況をきく。
陵いのりは音楽を勉強するためアメリカへ留学するらしい。出発は明後日。
正直、鷺沢一蹴は、陵いのりのことを忘却していた。新しい人間関係が楽しくて、いつの間にか、陵いのりへの想いが薄らいでいた。
だがこれが最後の会話になるかも知れない。けじめをつけるべきだろう。
陵いのりに別れを告げるため、陵いのりの自宅を訪れた。海岸で穏やかに語り合う。
「一蹴は、私みたいにはならないでね。それが私の最後の願い。」
「人はね変わっていく。どうしても変わりたくないなら、全てに目を背けて逃げ出すしかないの。」
「変わることを恐れないでね。」
「さよなら、一蹴。」
陵いのりに背中を押され、鷺沢一蹴は決意する。変わることを恐れない。
一蹴にも分っていた。ノンチャンは一蹴に好意を持っている。自惚れかも知れないがリカリンもそのはずだ。
だから選べなかった。選べばどちらを捨てることになる。4人のお友達グループが無くなるかも知れない。変わってしまうのが怖かった。
だが、選択する。リカリンが好きだ。
鷺沢一蹴は花祭果凛に告白。2人は恋人になった。
それからは幸せが続く。一日中ずっと、果凛は鷺沢一蹴のもとに訪ねてきた。バカップルと呼ばれても仕方がない熱愛。
だが、それを良しとしない人物がいた。
鷺沢一蹴の安アパート、執事であるジイヤが訪ねてきた。
「あなたの存在は、お嬢様にとって害悪でしかない。お嬢様の前から立ち去っていただきたい。」
何ひとつ反論できなかった。ジイヤさんは正しい。
果凛に、その努力にその夢にその成功に。
そのために
「最初から、好きじゃなかった。」
好きなのに、好きだから、別れるということが起こり得るのだ。
果凛と別れてしまった一蹴。
そこに稲穂信が現れ、果凛が自分自身の将来を棒にふってまで、鷺沢一蹴を待ち続けていることを知る。
さらにノンチャンが現れた。傷つけてしまったはずのノンチャン。「一蹴くん急ごう!」
一蹴の姉を自認する黒須カナタも駆けつける。「ハーイ、アホイッシュウ」。カナタは自慢のスポーツカーの助手席に一蹴を押し込む。
4人のお友達グループの絆は切れていなかった。関係が変わることで、リカリンを選ぶことでノンチャンに会わせる顔がないって思ってた。
頑張って上を目指してるリカリンに比べて、変われない自分では釣り合わないって思ってた。
だけど信じていれば、変わり続けてもまた絆をつなげることができるんだ。
変わる。変えてみせる。
「一蹴はわたしみたいにならないで」
「変わることを、怖れないで」
今はもう、遠くなってしまった陵いのりに背中を押されながら、花祭果凛を迎えにいく。