タブレット端末(3/3)
タブレット端末(3/3)。
最近お気に入りのタブレットは
Amazon社 Fire 7 (第7世代)
つい先日4月初めのアマゾンタイムセールで4480円で買ったばかりだ。このところ毎日使っている。
そんなに気に入ったなら性能がいいのか?と聞かれれば、性能は低いと即答する。性能が低く汎用的な用途には向いていない。
???ではなぜ気に入っているか???
性能が低い事と、性能が悪い事は、同義ではない。
性能が低いからこそ、特定用途に特化した設計になっており、非常に使いやすい。
アマゾンが提供する各種サービスを享受する用途において、Fireタブレット以上に使いやすい端末などない。アマゾンプライム会員であれば尚更だ。
Fireタブレットは、アマゾン提供サービスのための専用機なのだ。
Fireタブレットの電源を入れると、Amazonロゴマークのあと、オレンジ色鮮やかな美しいFireロゴマークが表示され、やがてホーム画面となる。
ホーム画面の使い方はAndroidと同じだ。使いたいアイコンをタップして起動する。
Fireタブレットの搭載OSは、FireOSといって、純然Androidではないのだが、似たようなものだ。
大きい違いは、Google社提供サービス存在しないことである。Androidでは当たり前のようにあるGooglePlayが存在しない。GoogleCromeや、GMailもない。だからAndroidで慣れ親しんでいるアプリが使えない。
■ ホームページ閲覧
ブラウザはAmazon社が提供するSILKブラウザである。高機能ではないがちゃんとタブブラウザなので充分使える。
■ 電子書籍
アマゾンといえば書籍である。もともと本の通信販売から会社を創業した経緯から、電子書籍にはこだわりがある。アマゾン提供電子書籍サービスは、Kindle キンドルという名称である。
■ プライムビデオ
アマゾン提供動画サービスは、プライムビデオだ。一般会員でも有料利用は出来るが、プライム会員になれば無料視聴できる動画が多くなる。
■ ゲーム
前述のようにFireタブレットにはGooglePlayがない。
その代わりにAmazonアプリストアがある。ここからゲームをダウンロードして遊ぶことができる。
Amazonアプリストアは、GooglePlayに比べると随分と掲載が少ないが
GooglePlayには無いゲームがあったりするので興味深い。
以上が、私がFireタブレット端末で利用するサービスだ。上記以外には全く使っていない。
特定用途に割り切った設計はいさぎよく、必要最低限のシンプルさ、美しさがあると思う。
ここで、FireOSというものについて補足しておきたい。中身は完全なAndroidなのかといえば違う。
FireOSは、Androidから派生した別OSであって、ただしAndroidと互換性がある近縁である。
大半のAndroidアプリはFireOS上でも稼働する。ごく一部Androidアプリは動かない。
この辺りややこしい。
歴史的にはもともとUNIX-OSがあって、System系のUNIXを真似て作ったのがLINUX-OS。LINUX-OSをベースに改造したのがAndroid-OS。Android-OSのうちAOSPのみをベースに改造し、GMS未使用なのが、Fire-OSなのだ。
Androidの実子がFire-OSだ。
Google社がスマホ各社にAndroid-OSを提供していることは有名だが、中身が2つに分かれていることはご存知だろうか?
AOSP (Android Open Source Project)
AOSPはOS土台にあたる部分で、これは各社へ無償提供されている。しかも各社が自分のスマホ製品に適するように改造することも許可されている。
Google提供AOSPをバニライメージといい、スマホ各社が自社製品用に改造したのをファクトリーイメージという。
例えばSony製Xperiaであれば、Sonyが改造したXperia用AOSPファクトリーイメージがあるのだ。バニライメージのままではXperiaは動かない。構成部品を動かすドライバが無いからだ。バニライメージに機種固有ドライバを付加し最適化をはかるのがファクトリーイメージなのだ。
GMSは、GooglePlayとか、GoogleMapとか、GoogleCromeとか、Gmailといったアプリ群である。GMSについては有償ライセンスで配布されている。
普通のスマホはGMSが無いと不便極まりないので、スマホ会社がGoogle社へとライセンス料を支払ってGMSを使わせてもらっている。
ところがだ。Amazon社は違った。
Amazon社はGoogle社とは対立するライバル企業である。お互いが顧客を囲い込みたいと狙っている。
GMSは便利だが、顧客をGoogle社に管理されてしまうのが好ましくなかった。GMSの各種サービスはGoogleアカウントに紐付けられるため管理はGoogle任せになるのだ。
そこでAmazon社はGMSを使わないという方針を取った。顧客管理はすべてAmazon自身で行う。Amazonアカウントに紐付けて管理する。
こうしてFire-OSが出来上がった。
AOSP部分は自社タブレット向け改造をしたファクトリーイメージとし、GMS未使用の代わりにAmazon独自のサービスをつけた。だからAndroidとは互換性のあるが、別OSなのである。
GooglePlayが存在せず、代用としてAmazonアプリストアがある理由がご理解いただけたろうか。
中身はほとんどAndroid-OSなので、よほどシステム密着なアプリでなければ普通に稼働する。Android端末からAPKパッケージでアプリをもってきてFire端末へとインストールすれば大抵は稼働する。
裏技を使えばGooglePlayだってインストールできるのだが、注意が必要ではある。
GooglePlayはシステム密着なので導入手順を間違えると無限再起動ループに陥ってFireタブレット端末が使えなくなる。もちろんAmazonの修理サポートなど受けられない。さらに言うとGooglePlayの自動更新機能が悪さするため、自動更新オフ設定が望ましい。
けっこう面倒なのでGooglePlayは導入しない方がいい。欲しいアプリだけ、APKパッケージにしてインストールすればいいと思う。
結論。Fireタブレット端末は美しい。
特定用途に特化して無駄なぜい肉をそぎ落とした潔い名機である。
重要補足
書き忘れた。FireOSはAndroidと高い互換性があるのだがバージョンに注意。
私が買った第7世代のFire 7 タブレットには、FireOS 5 が搭載されいる。
より最新型だと、FireOS 6 が搭載された型番もある。
FireOS 5 は、Android 5.1 AOSP から派生。
FireOS 6 は、Android 7.1 AOSP から派生。
欲しいアプリを、APKパッケージにして持ってきてもバージョン相違になる可能性もある。
例えばFireOS 5 で動かしたいなら、元のアプリがAndroid 5.1 で動くものかを調べるべきだろう。