番外編:セガサターン = 初代プレステの最強ライバル機
1994年11月発売のセガエンタープライゼス社製セガサターンは、1994年12月発売のソニー社製初代プレイステーションのライバル機であった。
絶対王者任天堂スーパーファミコンに対し、セガサターンと初代プレステは挑戦者として、三つ巴の争いをした。
挑戦者の武器は光学ドライブ。いわゆるCDROM媒体である。700メガバイトもの大容量媒体ゆえ、動画や音声を存分につかうゲーム作品を提供できるようになった。
絶対王者のスーパーファミコンはROMカートリッジ媒体なので記録容量に限界がある。最大たったの6メガバイト。大半の作品は1メガバイト程度だった。
争いの結果、スーパーファミコンがまず脱落し後塵を浴びることとなった。光学ドライブを搭載した次世代機には勝てなかったのだ。
ここでセガサターンと初代プレステの一騎打ちとなる。当時の識者はことごとくセガサターン優勢と見ていた。ハードウェア性能的にもセガサターンが上であるし、音響メーカーであるソニーと違い、セガは繁華街ゲームセンターにも多数のアーケードゲーム作品を提供する有力ソフトウェア会社である。どうみてもセガサターン優勢としか思えなかった。
ところがだ。ちょっとしたキッカケであっという間に形勢逆転し、まさかの初代プレステが逆転勝利してしまった。
ファイナルファンタジー7というゲーム作品が初代プレステに提供されたことを引き金に、次々と名作ゲーム作品が雪崩をうって初代プレステに集中したのだった。
劣ったハードウェア性能であっても、優れたソフトウェアが集まったことで逆転勝利したのが初代プレステであった。
後年の分析では、皮肉にもソニー社がゲーム業界のど素人であったことが勝利のカギだったと言われている。
セガ社はゲームセンターに長年にわたりゲーム作品を提供する老舗ソフトウェア会社である。他ソフトウェア会社にとってセガ社は競合相手でもあるのだ。
そんな競合相手のゲーム機に、社外秘の最新技術を盛り込んだ優秀なゲーム作品を提供したいとは思わない。どうしても心理抵抗があるだろう。
他方のソニー社は音響映像ばかりで過去に一度もゲーム作品を作っていなかった。ゆえにソフトウェア会社は安心して優れたゲーム作品を提供できたのではないか、という分析である。
いったん初代プレステ勝利した勢いは止まらなかった。
セガ社は後継機であるドリームキャストによって再戦をいどんだが、ソニー社製プレイステーション2に圧倒された。
ドリームキャストとプレステ2ではハードウェア性能すらプレステ2が上回ってしまった。こうなるともはやソニー優勢は揺らがない。その後はセガ社はゲーム機ハードウェア製造から完全撤退し、ソフトウェア専門となった。
かつての第1ゲーム機戦争は、MSX連合軍 VS 任天堂だった。
つづく第2次ゲーム機戦争は、任天堂 VS セガ VS ソニーだった。
その後に任天堂の巻き返しがあったり、海外からマイクロソフト社製XBOXという挑戦者も現れたが2018年現在もなお、ソニー社が絶対王者のままである。
さて、敗れたとはいえセガサターンは往年の名機として現在でも根強い人気がある。
当時は初代プレステに乗っかるか、セガサターンに乗っかるか、ソフトウェア会社も右往左往と迷っていたため、セガサターンだけでしか提供されなかった往年の名作ゲーム作品が非常に多数あるのだ。
セガサターンは大きくわけて4つある。
初期型 HST-3200 灰色の筐体
中期型 HST-3210 灰色の筐体
後期型 HST-3220 白い筐体
そのほか特殊モデル
初期と中期が灰色で、後期が真っ白だ。
君のサターンは何色?という質問がよくされるにはこのためだ。
特殊モデルというにはスケルトンという透明筐体とか、日本ビクター社やら日立製作所がライセンス生産したものとか。
けっこうバリエーション豊かだ。
私が所有するのは後期型真っ白のHST-3220 型番である。この後期型発売のさいに有名な「せがた三四郎」のコマーシャルが流れた。
任天堂ファミコン時代には、ゲームのセーブデータを長期間保存するために電池が必要だった。
セガサターンも任天堂に習ってセーブデータを長期間保存するためにボタン電池を必要とする。
本体内蔵メモリ(パソコンやスマホでいえばハードディスクなりSSDなりmicroSDなりのストレージ相当)が
揮発性メモリなので、常時電力供給しないと情報が飛んでしまうのだ。
本体背面左端にあるカバーを取り外すと、ボタン電池をつける場所が現れる。
古くなったボタン電池を無理やり外そうとしても外れない。いったん奥側に押し込むとロックが外れて電池交換できる。
本体背面右端には
電源ケーブル差込口と、AVケーブル差込口がある。
本体前面にはコントローラー差込口がある。
最後に本体上面に
パワーメモリ差込口がある。
このパワーメモリだが、名称とは真逆でボタン電池がなくてもセーブデータを長期間保存できるメモリカードのことである。
(初代プレステのメモリカードと同じ役割)
これはパソコンでいえば外付けハードディスクやUSBメモリのようなストレージで、不揮発性メモリなので電力供給を必要としない。
こうして本体に、ボタン電池、電源、AVケーブル、コントローラ、メモリカードをさしたあとにAVケーブルをモニタへ接続する。
ただしモニタは付属品ではないので自身で用意しなければいけない。私が所有しているのは、アナログAVケーブルと、デジタルHDMIケーブルの、両対応の小型液晶モニタである。
配線が終わったので
まずはディスクを空にした状態で電源を入れてみよう。
ファームウェア画面はCDプレイヤーになるだけだ。
続いてディスクの空の状態のまま
今度はコントローラーのトリガーボタンを押しながら電源を入れてみよう。
トリガーボタンはコントローラーを持ったとき人差し指が当たる、左右の赤いボタンのことだ。
すると各種設定画面が起動する。
本体内蔵メモリや、外部パワーメモリの、セーブデータ管理をしたり
時刻合わせなどの設定ができる。
ではディスクを入れて電源を入れてみよう。
今度はゲーム画面が立ち上がるはずだ。